骨盤底筋とは?
骨盤底筋は、骨盤内の臓器(膀胱、子宮、直腸など)を支える重要な筋肉群です。これらの筋肉は、体内の臓器を正常な位置に保ち、排尿や排便、そして妊娠や出産の際にも重要な役割を果たします。骨盤底筋が弱くなると、尿漏れや便秘、さらには姿勢不良や腰痛など、さまざまな健康問題を引き起こすことがあります。
女性は、妊娠・出産を経ることで骨盤底筋が特に負担を受けやすく、年齢と共に筋力が低下しやすいこともあります。そこで、骨盤底筋を強化することが、女性の健康をサポートするために非常に重要になります。

ピラティスで骨盤底筋を鍛える理由
ピラティスは、インナーマッスル(深層筋)をターゲットにしたエクササイズであり、その中でも骨盤底筋を意識して鍛える動きが多く含まれています。ピラティスのエクササイズは、体幹と骨盤底筋を同時に強化するため、女性の健康をサポートするのに非常に効果的です。
1. 骨盤底筋の強化
ピラティスのエクササイズは、骨盤底筋を鍛えるために非常に効果的です。深い呼吸を使いながら行う動きは、骨盤底筋を引き締め、安定させることができます。呼吸と動作が連動することで、無理なく筋肉を活性化し、日常生活における骨盤のサポート力を高めます。
2. 姿勢の改善
ピラティスは姿勢を改善する効果もあります。骨盤底筋を強化すると、骨盤が安定し、全体的な姿勢が良くなります。良い姿勢は、腰や背中にかかる負担を軽減し、身体全体のバランスを取る助けになります。特に、デスクワークや立ちっぱなしの仕事が多い女性には、骨盤底筋を強化することで姿勢が改善され、身体の不調を予防することができます。
3. ストレス軽減
ピラティスのリラックス効果も、女性の健康にとって重要です。呼吸と共に行う動きによって、ストレスが軽減され、精神的にも安定します。骨盤底筋を鍛えながらリラックスすることは、ホルモンバランスを整え、心身の健康をサポートします。
骨盤底筋を鍛えるためのピラティスエクササイズ
ピラティスで骨盤底筋を鍛えるエクササイズには、呼吸法を意識しながら行うものが多くあります。以下のエクササイズは、骨盤底筋を効果的に強化するのに役立ちます。
1. ブリッジ(Bridge)
ブリッジは、お尻と太ももの裏、そして骨盤底筋を鍛えるエクササイズです。リラックスした呼吸をしながら、腹筋とお尻の筋肉を使って、骨盤を持ち上げます。骨盤底筋を意識しながら行うことで、筋力を強化できます。
やり方:
- 仰向けに寝て、膝を曲げて足を肩幅に開き、足の裏を床につけます。
- 息を吸いながら、お尻を持ち上げて、肩から膝までが一直線になるようにします。
- 骨盤底筋を引き締めながら、お尻を下ろし、元の姿勢に戻ります。

2. キャット・カウ(Cat-Cow)
キャット・カウは、骨盤底筋を含む体幹全体を意識的に使うエクササイズです。背骨を柔軟にしながら、呼吸を深く使うことで、骨盤底筋を引き締める効果があります。
やり方:
- 四つん這いになり、手と膝は肩幅に広げます。
- 息を吸いながら、背中を反らせて(カウポーズ)、骨盤を前に押し出します。
- 息を吐きながら、背中を丸めて(キャットポーズ)、骨盤底筋を引き締めます。
- この動きを繰り返します。
3. ローリングライクアボール(Rolling Like a Ball)
このエクササイズは、骨盤底筋を鍛えるだけでなく、背骨を柔軟にし、バランス感覚を向上させるのにも効果的です。特に腹筋を強化しながら、骨盤底筋も意識的に使います。
やり方:
- 座った姿勢で膝を胸に引き寄せ、足を浮かせます。
- 両手で膝を抱えて、息を吸いながら背中を丸め、肩からお尻までがC字型になるようにします。
- 息を吐きながら、背中をゆっくり転がすように前後に動かします。

ピラティスで骨盤底筋を鍛えるメリット
- 尿漏れの予防: 骨盤底筋を強化することで、尿漏れや膀胱のトラブルを防ぐことができます。
- 姿勢の改善: 骨盤底筋を鍛えることで、骨盤の位置が安定し、全体的な姿勢が改善されます。
- 妊娠・出産後の回復: 妊娠や出産後に弱くなりがちな骨盤底筋をピラティスで強化することができます。
- 腰痛の予防: 骨盤の安定が促進されることで、腰や背中の痛みを軽減する効果があります。
まとめ
ピラティスは、女性の健康にとって非常に重要な骨盤底筋を鍛えるための効果的な方法です。呼吸と動きを意識しながら行うエクササイズは、骨盤底筋をしっかりと強化し、姿勢改善や尿漏れ予防、腰痛の軽減など、さまざまな健康問題をサポートします。特に、妊娠や出産後、また年齢を重ねるごとに骨盤底筋の強化が重要になりますので、ピラティスを取り入れて、日々の健康を支えるための体作りを行いましょう。
関連コラムはこちら
『【動画あり】ピラティストレーナーが教える自宅でできる簡単ピラティス6選』